Webサイトには、さまざまな環境や状況の人が訪れます。大きな画面で閲覧する人もいれば、スマートフォンで素早く情報を確認する人もいます。文字の見え方や操作の方法に制約がある人も利用することを踏まえ、情報へのアクセスを妨げない設計が求められます。
こうした考え方はWebアクセシビリティと呼ばれます。特定の人だけに向けた特別な機能ではなく、幅広い利用者にとって情報が伝わりやすく、操作しやすい状態を目指す取り組みです。
文字の大きさとコントラスト
文字が小さすぎる、背景と文字の色が似すぎているといった状態では、内容を読むことが難しくなる場合があります。デザイン上の印象を整えることは大切ですが、実際に情報を読み取れることがその前提です。本文だけでなく、注釈やフォームの説明文などにも同じ配慮が必要になります。
特に淡い色の文字は、画面の明るさや周囲の光によって読みにくさが変わります。文字と背景のコントラストを確認し、色だけで重要な状態を区別しないことが大切です。例えばエラー表示なら、赤色にするだけでなく、どの項目に何の問題があるかを文章でも示します。
画像と文字の関係を整理する
Webサイトでは写真や図解が情報を伝える役割を持ちます。一方で、画像に含まれる文字が読み取れない場合や、画像が表示できない場合にも必要な情報が失われないようにする配慮が求められます。画像の内容に応じて代替テキストを設定することは、その代表的な方法です。
ただし、あらゆる画像に長い説明を付ければよいわけではありません。装飾だけを目的とした画像と、意味のある情報を伝える画像では役割が異なります。画像が何のために置かれているかを考え、本文と合わせて情報が伝わるように設計します。
キーボードでも操作できること
マウスやタッチ操作だけを前提にしたWebサイトでは、別の方法で操作する人が必要なページに進めない場合があります。メニューの開閉、フォーム入力、ダイアログの操作などをキーボードで行えるか確かめることが重要です。
どこに操作の焦点があるかを視覚的に確認できることも必要です。見た目を整えるためにフォーカス表示を消してしまうと、キーボードで操作する人は現在位置を把握しにくくなります。操作方法が変わっても同じ内容に到達できる構成を目指します。
見出しとページ構造を分かりやすく
情報を理解しやすいページには、内容に沿った見出しの階層があります。見出しが見た目の大きさだけで使われていると、ページの構造をつかみにくくなる場合があります。本文の内容に対応した見出しを使い、関連する情報をまとまりとして示すことが大切です。
リンクの文言も「こちら」だけではなく、移動先や目的が分かる表現が望まれます。スクリーンリーダーなどを利用する場面を考えると、前後の文章がなくてもリンク先の内容を判断できることには意味があります。分かりやすい情報設計は、すべての利用者の助けになります。
フォームとエラー案内にも配慮する
フォームでは、入力欄に対応するラベルがあること、必須項目が識別できること、エラーの内容と修正方法が分かることが重要です。視覚的なレイアウトだけに頼るのではなく、操作対象と説明の関係が適切に伝わるようにします。
例えば送信できなかったとき、単に「エラーが発生しました」と表示するだけでは次の行動が分かりません。どこを直せばよいかを具体的に示し、入力した内容をできるだけ保持するなど、利用者の負担を減らす設計が求められます。
継続して改善していく視点
アクセシビリティは一度対応すれば終わるものではありません。記事や画像、機能が追加されるたびに、情報の伝わり方や操作のしやすさが変わる可能性があります。デザインの変更だけでなく、日々のコンテンツ更新でも意識していくことが大切です。
株式会社EICでは、分かりやすいWebサイトとは、できるだけ多くの人が必要な情報へ無理なくたどり着けるものだと考えています。見た目の美しさと利用のしやすさを両立させることを、継続的な制作上の課題として捉えています。

